「なのは、おめでとう」
「なのはちゃん、おめでとう」
「フェイトちゃん、はやてちゃん……」
 微笑みながら祝福の言葉をかけてくれる親友に、わたしは嬉しさで涙が出そうになる。
「感動のシーンのところ申し訳ないんだけど、マリーさんをはじめてとした『次を狙ってる人』がお待ちかねよ」
「特にアリサちゃんが張り切ってるわよ」
 お姉ちゃんと忍が苦笑いを浮かべながら声をかけてくる。
「なのはー、ここに投げなさいよ!!」
「アリサちゃん、あせらなくて大丈夫だよ。わたしはアリサちゃんのモノだから」
アリサちゃんの隣ですずかちゃんがさらりととんでもない発言をしてるけど、あたしは聞かなかったことにする。
「じゃあ、なのは」
 そう言って手を握ってわたしをエスコートしていたユーノ君が離れる。
「ほら、『全力全開』で投げてあげな」
「うん。じゃあ、みんな。行くよ〜」
 わたしはブーケを持った左手を大きく後ろに振って、みんなの頭上へ放り投げた。
綺麗な放物線を描いたブーケは、争奪しようとした各人の手をかすめ、中ほどにいた2人の人物の手に収まった。
「「「「「あっ」」」」」
 手にした人物の一方を見て、争奪戦に参加した者はもちろん、フェイトちゃんやはやてちゃんたちも、なんとも言えない表情をする。
「あらあら、大変。再婚相手を探さないと」
 そんな事を言いながら、手にしたブーケをもう一人と分け合うのは、時空管理局提督であり、クロノくんやフェイトちゃんのお母さんであり、
2人の孫を持つリンディさん。そしてもう1人は……
「えへへへ。なかなか良いよみしてるでしょう?」
 と、リンディさんから分けた片割れをもらうのは、いつの間にか争奪戦の集団に紛れていたヴィヴィオだった。
「クロノ、いなくてよかったね」
「この世の終わりみたいに頭抱えたあと、発狂してデュランダル振り回しそうやな。まぁ、不幸中の幸いは、ヴィヴィオが半分掴んだってことやで」
 親友2人の評価に納得しながら、わたしは右手に残していたブーケの花を1輪ずつ2人に差し出す。
「わたしがこの場に居れるのは、2人のおかげだよ。だから次は2人の番だよ」
「それは私たちのセリフやで、なのはちゃん」
「そうだよ、私もはやても、なのはがいなけりゃ今はないんだから」
 そう言ってくれる親友2人を、あたしは抱きしめた。





   戯言

 これを書いてたのはカナコミ2の前日でした。

 んで、次の日に某お方と話してて、同じネタでその方が書かれたので、あえて同じタイトルにしました。

 自分の場合、フェイトちゃんは博愛主義者です。

 追記

 一人称が違うというご指摘で訂正。ただ、なのはってあたしとわたしと私をTPOで分けてなかったっけ?

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