ユーノとなのはが結婚して数年。 「ヴィヴィオ、起きてる?」 ドアの隙間から顔を出して、なのはがヴィヴィオの部屋を覗く。 「予習が終わって、寝ようとしてたところ」 「なら、ちょっと来てくれる?」 手招くようにしながら、なのははヴィヴィオを呼ぶ。 「なのはママ、なにかあったの?」 「うん。家族にとって大切で、大事なお話があるの」 そう言うと、なのははリビングへ戻る。その後ろをヴィヴィオはついて行く。
リビングに行くと、そこにはなのはの兄の恭也、その恭也の妻である忍、そしてなぜかボロボロのユーノが揃っていた。 「ユーノパパ、なのはママの特訓に付き合った後以上にボロボロだけど……」 「ヴィヴィオ。君のパパは漢にとって、宿命の儀式を終えただけだから、気にしないで良いよ」 にこやかに笑いながら、恭也がヴィヴィオに話す。 「恭也の場合、その宿命のハードルがモンスターボックス15段ぐらいの高さだけど」 忍が苦笑いを浮かべながら突っ込む。 「前々から判ってましたけど、いろんな意味で恭也さんって常識の範囲外で生きてますよね。バインドを小太刀で引き千切ったり……」 ユーノは疲れた表情で呟く。 「それで、大事な話って?」 「ヴィヴィオ。うちにね、新しい家族が増えるんだよ」 なのはは優しく微笑みながらヴィヴィオに話しかける。 「また保護した子を預かるの?」 「いや、違うよ。正真正銘、ヴィヴィオの妹か弟だよ」 ユーノの言葉に、ヴィヴィオはパッと、なのはの顔を見る。 なのはは小さく微笑んで言う。 「3ヶ月だって……」 その言葉を聞いて、ヴィヴィオはなのはに抱き付く。 「おめでとう、なのはママ」 「ありがとう。ママ、頑張って元気な子を産むからね」 それは、美しい母と娘の光景だった。
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この10ヶ月後、なのはが男女の双子を産み、一騒動起きるが、それはまた別のお話−
あとがき
なのはも含め、とらハは家族の話だと僕は解釈してるんですよ。 なので、なのはを書く時の一発目はこのテーマだと決めていました。 つーかまだStS、見てないんだよね……
おまけ
「桃子さん、5人目の孫だね」 「いや、フィアッセやレンや晶の子供もかーさんには孫らしい」 「なら、10人目か……」 「それにしても、俺たちの周りはおかしいな。40半ばで孫が居る人間が何人も居るんだから」 「まぁ、みなさん若々しいですし、娘が若くして子供産んでますから」 「……ユーノ、やっぱり斬ってやる」 「恭也は人の事言えないんだから、小太刀は納める。じゃないと血、飲み干すわよ」