「リコ・・・」
 自室のベットの上、俺は恋人の顔を思い浮かべる。
―5日以上、リコと会っていない―
 別にケンカだとかそういう訳ではなく、ただ単にリリアンが修学旅行なだけで
ある。
 忙しいテストなどの間もあっているので、7日間と言う日々は俺にとって拷問
である。
「はぁ、あと3日か・・・」
 そんな事を考えていると、不意にドアを叩く音がした。
「はい?」
「祐麒、あなたあてに荷物よ」
 宅急便が届いた事を教えに来た母さんだった。
「今行く」


「『二条菫子』って、リコのおば様からか。多分、リコが頼んだんだろう。にし
ても、かなりデカいなぁ」
 箱は祐巳などなら1人入れるくらいの大きさで、重量もそこそこ重い。
 取りあえず自室まで運んで、中を確認する。
・・・

・・・

・・・

・・・

 中身を確認した俺は、思わず宛名にかかれた電話番号に電話した。

『はい、どなた?』
「こんにちは、福沢祐麒です・・・」
『あっ、その様子だと、例の物は届いたみたいね』
「なんですか、あれは?」
 一応、健康な学生なので、それらについて、それなりに知識はあるが、敢えて
口に出さない。
『あれ?悶々としている青少年に、あたしからのプレゼント。豪華な抱き枕。正
式名称の日本語直訳はオランダ妻。しかもリコをベースにしてるわよ。なにか不
満ある?』
「菫子さん、リコはあんなに胸は大きくないです!!」
――イタリア――
「クシュンッ」
「なに乃梨子、風邪ひいたの?」
「いや、誰かが噂したみたい。それより可南子、夕子さんと次子ちゃんに何か買
って行きなよ」
「そうね」


「まぁ、あの子のブラサイズからピーぐらいだろうけど、それじゃあねぇ」
「5日ぐらい我慢しますから」
「ちなみに、返却不可だからね」
「・・・・・・」


数年後


「そうそう、祐麒君。例の物ってまだあるの?」
「…ありますけど、なにか?」
「えっ、バレてないの?」
「いや、すぐバラしましたよ。だけどあれ、リコ自身が気に入って、うちに来る
度に抱き枕にしてましたから。あと、今はオプション器具付けてゴニョゴニョし
てるみたいだし」
「そ、そう・・・」





おまけ

「菫子さん、祐麒君ベースの抱き枕も作れるかな?あと、可南子が祐巳さまベー
スのを欲しいらしいんだけど」
「わかったわ。知り合いの会社に発注しとくわ」

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